1 はじめに

  • 経営の目的やその機能は世界共通ですが、実際の経営手法というものは、経済・政治・社会・文化といった外部要因(環境)に大きく影響されます。

    • そのため、世界各国で通用する唯一の「最適な経営手法」というものは存在しません。

    • 各国の状況にあった形で、各国バージョンの「最適な経営手法」が存在します。

  • 本講義では、日本企業の経営システムとアメリカ企業およびアジア各国企業の経営システムを比較し、それぞれの特徴を整理し、その類似点および相違点を理解できるようになることを目指します。

  • 本講義の内容を理解することで、以下の点について自分なりの意見が持てるようになります。

    • 外国企業の経営成功事例を無条件に取り入れるのは正しいといえるか?

    • 日本企業が海外進出したとき、現地子会社に日本的経営を求めるのは正しいといえるか?

    • 日本企業の経営システムは、世界的に見て特殊なのか?

  • 本講義の構成は、以下のとおりです。

    • 1では、本講義の目的と目標を提示します。

    • 2は、3以降で使用する経営システムの比較基準を整理します。

    • 3では、アメリカ企業の経営システムを、外部要因(文化・政治・経済)・経営者・マネジメントの観点から考察します。

    • 4では、日本企業の経営システムを、外部要因(文化・政治・経済)・経営者・マネジメントの観点から考察します。

    • 5では、アジア企業の経営システムを、外部要因(文化・政治・経済)・経営者・マネジメントの観点から考察します。

    • 6では、各国の経営システムの理解を深める諸項目を補足解説します。